精油について
精油(エッセンシャルオイルとも言います)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。植物の状態に比べると濃縮されていて、例えばバラの精油1滴を採るのには花びら1000枚が必要と言われています。
ハーブや柑橘類などの植物には「油のう」と呼ばれる袋状の小さな粒があり、精油はこの粒の中に入っています。この油のうは花びら、樹皮、果皮、茎、葉の裏など植物の様々な部位にあり、そこから精油が採られます。「油」という字がついていますが、私たちが食用に用いるオリーブ油などの油脂とは全く異なる物質です。精油は、化学的に様々な特性を持つ数十から数百種類もの芳香性の有機化合物の集まりです。
精油は、植物が生きていくうえで不可欠なものです。植物は、根から水分や栄養を吸収し、葉にたくさんの日光を浴びて育っていきます。そして自然が与えてくれた力を自分が育つための力に変換させ、油のうのに貯め込んでいるのです。植物がなぜ精油を作るのかは諸説ありますが、植物は動物と違って動くことが出来ず、根付いたところで一生を終える宿命の植物にとって、実を守り、子孫を残すための武器の一つと考えられています。
例えば精油には受粉を助けてくれる昆虫たちを香りで引き寄せたり、昆虫や鳥が嫌う毒や香りを分泌し、食べられることを防ぐ作用があります。また、精油を空気中に発散してウィルスや細菌の繁殖を防ぎ、身を守る働きや、植物が強い太陽の熱から身を守るために芳香物質の一部を蒸発させ、自らを冷却させる働きもあります。
精油は医薬品ではありません。ご自宅で精油を使用する際は、あくまで身心の健康を維持増進するためのセルフケアとして、自己責任に基づいて取り扱ってください。妊娠中、高血圧・てんかん・腎臓の障害がある方は必ず医師に相談の上、使用してください。
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